あずき(小豆)は昔からあんこの原料として、また和菓子の材料として日本人には身近な食材のひとつです。
今回は、そんなあずき(小豆)の産地や品種、栄養と効果についてお話していきます。
あずき(小豆)の産地と品種
【あずき(小豆)の産地】
日本のあずき(小豆)産地といえば、北海道が有名です。
北海道は、日本のあずき(小豆)生産量の8割以上を占めるあずき(小豆)産地として知られています。
北海道以外では、岩手県、青森県、京都府、兵庫県などが産地の上位に位置しています。
【あずき(小豆)の品種】
国内で生産されているあずき(小豆)の品種は、主に次の3種類です。
・大納言:大粒で色が濃く、皮が破れにくくて煮崩れしにくい。「丹波大納言」、「京都大納言」、「アカネダイナゴン」、「とよみ大納言」などがある。
・中納言:一般的なあずき(小豆)で、「えりも」、「しゅまり」、「きたのおとめ」、「さほろ」などがあります。
・白あずき(小豆):生産量の少ない、白色の希少品種。「備中白あずき(小豆)」、「きたほたる」などがあります。
これらのあずき(小豆)のほとんどは、和菓子や菓子パン、ゆであずき(小豆)など、あんこや菓子の材料として使われています。
あずき(小豆)には良質なタンパク質や食物繊維が豊富
あずき(小豆)は栄養分が豊富です。乾燥あずき(小豆)の約20%が、必須アミノ酸を含んだ良質なタンパク質です。
その他には食物繊維やポリフェノールなど、さまざまな栄養分が含まれています。
あずき(小豆)の小さな粒には、豊富な栄養分がぎっしりと詰まっているのです。
【主な栄養分】
・食物繊維(ごぼうの3倍)
・ビタミンB1
・ビタミンB2
・ポリフェノール(赤ワインの1.5倍、豆類の中でも特に含有量が多い)
・サポニン
・亜鉛
・カリウム(アボカドの2倍)
・鉄分
・カルシウム(米やパンよりも多い)
・アントシアニン
効果
むくみ解消
あずき(小豆)の皮に含まれるサポニンには、利尿作用があります。
またカリウムにも体内の余分な水分・塩分を排出する働きがあります。
カリウムはナトリウム(塩分)と深いつながりがあり、両者のバランスによって体内の水分バランスが変わってきます。
ナトリウムを過剰摂取すると細胞内に水分が溜め込まれ、むくみの原因になりますが、カリウムを摂取することで、増えすぎた分の塩分を体の外へ排出し、むくみ対策へとつながるのです。
疲労回復
豊富なビタミンB群には、エネルギーを効率よく作り出す働きがあります。
なかでもビタミンB1には炭水化物の代謝をサポートする働きがあり、疲労物質の代謝を助ける働きもあります。
運動をすると、「乳酸」という疲労物質が体内に生成されます。
ビタミンB1には、乳酸の代謝を促してエネルギーに変換する作用があるので、すみやかな疲労回復をサポートしてくれます
このビタミンB群の働きが体内の疲労物質を減らして疲労からの回復を早め、疲れにくい体に導くのです。
便秘解消
あずき(小豆)に含まれる豊富な食物繊維には水溶性と不溶性がバランスよく含まれており、腸内環境を整えてくれます。
特に多く含まれているのが不溶性食物繊維です。不溶性食物繊維は便のかさを増して便通をよくするのに役立ちます。
二日酔い対策
サポニンのもつ解毒作用が、二日酔いの原因物質アセトアルデヒドの分解に効果を発揮します。
生活習慣病の予防
あずき(小豆)には、糖尿病や高血圧、動脈硬化などの生活習慣病に効果的な栄養分が豊富に含まれています。
・食物繊維:大腸がん・動脈硬化の予防、血糖値の急上昇を防ぐ、コレステロール値を下げる
・サポニン:中性脂肪を低下させる
・アントシアニン:血液をサラサラにして動脈硬化を予防する
・カリウム:血圧の上昇を抑える
美肌
ポリフェノールとサポニンのもつ強い抗酸化作用には、細胞の老化やシミ・シワを防ぐ効果があります。
また髪や皮膚の成長を促すビタミンB2、デトックス効果で腸からキレイにしてくれる食物繊維も含まれており、美肌をサポートしてくれます。
また亜鉛や鉄分も含まれており、体内の酸素循環をスムーズにしたり貧血を防いだりもしてくれます。
あずき(小豆)は低GI値食材
あずき(小豆)は血糖値の上がりにくい低GI値食材ですが、砂糖と一緒に食べるとGI値が一気に上がり、血糖値が上がりやすい食材になりますのでご注意ください。
【参考資料】