野生のごぼうは、ヨーロッパ、シベリアから中国大陸にかけて広く分布していますが、根の部分を食用にするのは日本だけという変わった根菜です。
日本に伝わったのは、そうとう古く、平安時代には、宮廷の献立にごぼうが使われていたそうです。
関東から出荷される滝野川ごぼうや京都の堀川ごぼうなどが有名な品種です。
ごぼうは、食物繊維の代名詞とも言われるほど含有量が多いです。ごぼうの食物繊維は、腸内環境を整え肌荒れや便秘の予防に大きな効果が期待できます。
ごぼうの注目成分
食物繊維(リグニン・セルロース)
ごぼうの主な栄養成分(可食部100gあたり)
カリウム・・・320mg
マグネシウム・・・54mg
カルシウム・・・46mg
鉄・・・0.7mg
食物繊維・・・5.7g
ごぼうの栄養と効果
ごぼうを栄養面から見ると、成分の8割が水分で、ビタミン類はあまり含まれていません。しかし、それを補って余りあるだけの食物繊維の効能があります。
食物繊維は、腸の働きを整えたり、コレステロールをコントロールしたりする重要な作用を持っています。
近年では、発がん物質など有害物質を体外に排泄する機能があることがわかっています。
ごぼうには、1.8%の繊維が含まれているので、便秘の人が常食すれば、症状の改善が期待できます。食物繊維が、腸を刺激して蠕動運動を活性化させ、便通を浴するのです。
また、ごぼうには利尿効果もあるので、体がむくんでいるときに食べると、体の余分な水分が尿になって排泄され、むくみを解消します。
ごぼう特有のシャキシャキした歯ざわりは、イヌリンという炭水化物によるものですが、このイヌリンに腎臓の機能を高める効果があります。
ごぼうを常食すれば、便や尿や汗といったいろいろな形で、体内の毒素を排泄してくれますので、血液が浄化され、肌も美しく保たれます。
便秘などによる吹き出物、肌荒れに悩んでいる人は、お肌のトラブルの解消が期待されます。
ごぼうは、低カロリーでありながら、ミネラルなどの成分が多く、食物繊維には、血糖値の上昇を抑える効果もあります。
ごぼうの選び方・保存方法
根元のひび割れがなく、先端がしおれてない。 ハリや弾力があり、太さが均一。 ひげ根が少ない。 洗いごぼうは鮮度が落ちやすいので、泥つきを選ぶ。
洗いごぼうの保存方法は、ポリ袋に入れ、袋の口を軽くとじ、深めの容器に入れ、冷蔵室で立てて保存(保存期間は1週間)。
泥付きのごぼうは、冷蔵庫に入る長さに切り、泥が付いたまま新聞紙に包み同様に保存(保存期間は1カ月)。
ごぼうの食べ方
皮は包丁の背でこそげるか、金属タワシなどでサッとこする程度で調理したほうが、風味を逃がさないので良いでしょう。
ごぼうは切って空気に触れると、黒く変色します。 切ったらすぐに水に浸し、全部きり終わったら水気を切って調理すると良いでしょう。
白く仕上げたいときには、酢水に浸すと良いでしょう。
ごぼうの栄養素を効果的に引き出す調理法
油で炒めてから煮物に!煮汁まで食べて栄養素をまるごと摂取
ごぼうは、血圧下げる作用があるカリウム、骨の生成に必要なカルシウムも豊富です。栄養価の高い皮も一緒に調理するように心がけましょう。
煮物にして煮汁も食べれば、溶け出したカリウムも摂取できます。食物繊維は油と一緒にとると便のすべりがよくなるので、炒めてから煮物にすると、さらに効果的です。