れっきとした柑橘類なのに、名前がグレープ(ぶどう)フルーツというのは、ちょっとへんな気もしますが、これは一説には、甘い香りがブドウに似ているためと言われています。
また、実がなる形が、ちょうどぶどうの房のようになって垂れ下がるからだとも言われています。
原産は西インド諸島で、文旦(ブンタン)とオレンジの雑種が自然に交配してできたものです。 それが19世紀になってアメリカのフロリダに渡り、しだいに栽培されるようになって広まりました。 いまでは生産される60%以上がアメリカ産です。寒さに非常に弱い品種なので、残念ながら日本での栽培は向きません。
味は、さっぱりした甘みと、ほどよい酸味がありますが、果汁に少し苦みの感じられるところが特徴で、この苦みの正体はナリンギンという成分です。
グレープフルーツは、そのまま半分に切って、スプーンですくって食べるのが、いちばん簡単で良いですね。
そのままでは酸味が強いと感じる場合は、砂糖を少しかけたりするとおいしくいただけます。また、しぼってジュースにして、ハチミツなどを加えて飲むのも良いです。
旬は春先から初夏にかけてです。 とくに4~5月ころは輸入量も増え、味もいちばんおいしい時期を迎えるので、お勧めです。
購入する際の注意ポイントは、手に持ってみて十分な重みが感じられ、ずっしりと中身が充実していて、皮に張りがあるものを選ぶと良いです。
グレープフルーツの栄養素と効能効果
グレープフルーツを栄養の面から見ると、レモンやオンンジなどの他の柑橘類とほぼ同様の成分を含んでいますが、その中でもっとも大きな特徴は、ビタミンCの含有量が豊富なことです。
グレープフルーツー個には約160ngのビタミンCが含まれているので毎日半分ほど食べれば、1日の摂取必要量を十分摂ることができてしまうほどです。
ビタミンCを豊富に含むグレープフルーツは、疲労回復や二日酔いの翌日に最適な果物です。ビタミンCが弱った肝臓の働きを助け、解毒作用を促進してくれます。グレープフルーツは糖度が低いので、毎日食べても太る心配が少なく、ダイエット中のビタミンCの摂取には、レモン同様、ベストな柑橘類といえます。
水溶性のビタミンCを無駄なく摂取するには、生で食べるのが一番です。消化酵素の豊富なパイナップルや整腸作用のあるリンゴなどと合わせて胃腸に優しいグレープフルーツのサラダにするのも良いですね。
ドレッシングの代わりに、プレーンヨーグルトで和え、繊維も豊富なサニーレタスと一緒に食べれば美容にも効果的です。
寝つかれない夜には、温めたグレープフルーツジュースを試してみると良いです。神経が安まり、自然な眠りを招くといわれています。
【参考資料】