びわ(枇杷)の栄養について

出回り期が短く、高級果実のイメージもあるびわですが、楽しめるのは果実だけではありません。

びわの葉は煎じてお茶のように楽しまれることもあり、民間療法では古くから親しまれています。

また、びわは古くから日本にあり、江戸時代の頃から楽しまれていたとされる、なじみの深い果物なのです。

びわ(枇杷)の種類

びわの産地で有名なのは何といっても長崎です。「茂木びわ」は日本で最も多く栽培されています。

果汁が多くて酸味の弱い味わいはジューシーで、果物を「水果子」として楽しむ和食の献立にもピッタリです。

商品名にその名がついたゼリーにはまるまるびわの果実が入れられていて、長崎の有名なお土産の一つです。

長崎と並んで有名産地なのが千葉。大粒品種の「田中」や「大房」といった品種以外に、「種がなくて食べやすいびわを!」という希望をかなえた「希房」という種類もあります。
 

びわ(枇杷)の栄養

びわは皮の色だけでなく果実もオレンジ色です。そのため果物の中でもβ-カロテンを多く含んでいます。

同じく体内でビタミンAとして働くβ-クリプトキサンチンも含んでいます。

食物繊維は水溶性と不溶性の両者を含みます。皮や種の付近にはクロロゲン酸が含まれているので、わずかな苦みを持ちます。

煎じて飲まれることもあるびわの葉には、クエン酸やリンゴ酸、タンニンなどの成分が含まれているとされています。

エネルギー 40キロカロリー
水溶性食物繊維 0.4グラム
不溶性食物繊維 1.2グラム
β-カロテン当量 810マイクログラム
β-クリプトキサンチン 600マイクログラム

※すべて びわ 生 100グラムあたりの値。 参照:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

 

びわ(枇杷)の健康効果

果物であるにも関わらず、緑黄色野菜にも匹敵するほどのβ-カロテンを含んでいる、びわ。

β-カロテンは体内で必要に応じてビタミンAに変換され、目の粘膜を健康にして視力を保ったり、抗酸化作用を発揮したりします。

粘膜を強化する働きによって、口や鼻、のど、肺、胃腸などの粘膜が守られます。風邪予防などの免疫力向上に、しっかり摂っておきたい成分。

ビタミンAは摂り過ぎると過剰症が心配されますが、β-カロテンは体内で必要に応じてビタミンAに変換されるので、過剰症の心配があまりない点でも優れています。

抗酸化作用によって脂質の酸化を抑制しますから、活性酸素によって酸化されたLDL-コレステロールを減らし、動脈硬化や心筋梗塞の予防に働きます。

同じくビタミンAとして体内で効果を発揮するβ-クリプトキサンチンは、優れた抗がん作用が知られています。

抗がん作用ではがん細胞に対する抵抗力がしばしば注目されますが、β-クリプトキサンチンはがん細胞ができる前から働きかけます。

発がんを促す物質を抑えるという働きをするのです。抗酸化作用もありますから、コレステロールの酸化を抑え、動脈硬化の防止にもつながります。

ポリフェノールの一種であるクロロゲン酸は、皮や種のまわりに多く含まれています。

こちらも活性酸素の害を防ぐ作用が知られており、抗がん物質として期待されるものです。また期待されている働きとして、消化酵素の働きを阻害することによる血糖値の上昇を抑制するのではないかと考えらえており、糖尿病に有効なのではないかと研究が進められています。

びわの葉にはクエン酸やリンゴ酸といった有機酸が含まれているとされています。

クエン酸は疲労回復効果が期待される成分で、体内の代謝を潤滑にしてくれることで循環を良くしてくれたり、疲労が取り除かれやすくなったりするのではないかと考えられます。

 

びわ(枇杷)の選び方

ヘタがしっかりしていて、皮にハリがあるものを選びます。皮の表面にうぶ毛が密生していて、ブルームと呼ばれる白い粉が吹いているようなものは新鮮です。

皮が褐変していないか、傷がついていないかをていねいにチェックしましょう。

水果子などと言われるためか冷やして食べるイメージが強いのですが、あまり冷やす過ぎると甘さが抜けてしまうので、保存の際は風通しの良いところで常温に置いておくと良いでしょう。

冷やして食べる場合には、食べる2時間くらい前に冷蔵庫へ。

 

びわ(枇杷)の食べ方

日持ちがあまりしませんので、果実のまま楽しめる時にはそのまま楽しむのが一番でしょう。

皮は手でむくことができますし、種離れも良いので食べやすいと思います。皮はおへその部分からむくときれいにむくことができます。

水煮にすれば長期間保存も可能で、洋菓子だけでなく和菓子にもよく使われます。

 

びわ(枇杷)・まとめ

程よい甘さと酸味、一見すると固そうな実は食べると非常にジューシーで、びわはほかにあまり類似するものを見ない食べ物ですよね。

味わいや高級感で存在感を発揮してきましたが、健康効果においても期待できることがいろいろとあるようです。

エネルギーも控えめですので、甘いものを食べたいときに置き換えて食べるのにも適した食材ですね。

 

【参考資料】http://neutral-fat-body.com/fruit/loquat

 

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